どうも、こんにちは蒼乃 恭介です。
あなたはニッパーをどういうふうに保管してますか?
刃がむき出しの状態ではちょっとしたことでケガしたり、高価なニッパーの刃先をダメにしたりします。
使わないときはカバーをつけてやれば思わぬ事故や他の工具に傷をつけることを未然に防ぐことができます。
今回はニッパー専用のカバーを自作していきます。
目次
ニッパーカバーとは
ニッパーカバーとはニッパーの刃先を保護するものです。
工具箱に入れた時にニッパーの刃先を他の工具から守ったり、一緒に入れている工具や工具箱をニッパーの刃先から傷つけないようにするものです。
保管、収納、持ち運びの時に工具どうしを保護してくれるので便利ですよ。
「ニッパーカバー」や「ニッパーキャップ」で検索するといろいろな商品がヒットします。
ゴッドハンド(GodHand)から販売されているアルティメットニッパー専用の「ニッパーキャップ GH-NC1 」はプラモデルを作っている人なら見たことが多いかもしれません。
ニッパーカバーを自作する理由
市販されているニッパーカバーは専用の物だったり、自分が持っているニッパーに合うサイズがなかったりします。
ニッパーの形状によっては装着できない場合も多いです。
自分が持っているニッパーに合うものが無ければ創ればいいじゃんと思い自作することにしました。
革でニッパーカバーを作る
今回はかっこよく耐久性があり、ほどよい硬さのある「革」でニッパーカバーを作っていきます。
布より硬い革ですが、基本的な作り方は衣服と一緒です。
小学校のときに家庭科でエプロンやナップザックを作ったことがあればかんたんに作れちゃいます。
革で作るレザークラフトは初めてでなにをそろえればいいのか分からない人でも、革の専門書や一通りの道具がそろったレザークラフトキットセットも販売されているので便利ですよ。
「レザークラフトの便利帳」は革の種類やレザークラフトに使う道具、作り方などが紹介されており、電子書籍版もあるので電子書籍派の人にもおすすめの本です。
1.デザインを考える
最初は持っているニッパーに合うようにデザインを決めます。
今回はグッドスマイルカンパニーの MSS-41 匠TOOLS 極薄刃ニッパー用ニッパーカバーを作っていきます。
型を作る前にパソコンでデザインしたり現物合わせしたものをコピー用紙で試作を作り、大きさや動作をテストします。
現物合わせするときはコピー用紙に気持ち大きめに極薄刃ニッパーのラインを書いていきます。
ニッパーの外側の線が書けたら入れるカバーの大きさを決めます。
下の画像はベルトで固定できるようにしています。
デザインしたものをニッパーに取り付けテストしてみます。
下の画像はいくつか試してみてよかったものを選んでます。
糸を縫う部分も残さないといけないので大き目にしてます。
2.型紙を作る
次は持っているニッパーに合うように型紙を作ります。
型紙は厚紙で作ります。
コピー用紙でいいじゃんと思われるかもしれませんが、このあと革に線をひいたり縫い合わせやバネホックの穴を開けるので耐久性が低いコピー用紙などの薄い紙ではうまくいきません。
3.革を裁断する
次は作った型紙に合わせて革を切っていきます。
革に型紙を置いて重しをのせます。
革は繊維の方向で曲がりやすかったり、伸びやすい向きがあるので切る前に曲げたりしてテストします。
型紙を重しなどで押さえながら革の裏面(毛羽立っている方)に型紙の周囲を銀ペンでなぞり線を引きます。
線が書けたら型紙を外して革包丁で、裁断線のほんの少し内側を切っていきます。
大きくなったりでこぼこになったとしてもあとで余分な部分を切ったり削ったりできるので気にしなくていいです。
厚い革の場合は力を入れても一発で切れないので、一度に切らずに何度も軽い力で切っていきます。
4.コバ処理
次は革のコバ(切り口)をヘリ落としという専用の道具やヤスリなどを使ってなめらかにしていきます。
革の厚みに合ったサイズのヘリ落としでコバ(切り口)を整えていきます。
切り口を整えたら次に紹介する仕上げ剤を塗り、ヘリ磨きやコーンスリッカーなどで磨いていきます。
5.床面処理
次は切った革の裏面(毛羽立ちがある方)に床面処理をしていきます。
床面処理とは毛羽立っている繊維に仕上げ剤を塗り、床面のつや出しとなめらかにする作業です。
革の切り口にも塗っていきます。
仕上げ剤を塗ると革の保ちもよくなります。
今回はトコフィニッシュを使います。
仕上げ剤のトコフィニッシュは縫い合わせる位置や接着する部分以外に塗ります。
仕上げ剤が接着面に付くとはがれやすくなります。
トコフィニッシュを指先につけて少しずつ塗っていき、ガラス板やヘリ磨きなどで繊維をならすように伸ばしていきます。
均一に塗り広げたら乾かします。(乾燥がけっこう早い)
6.縫い穴を開ける
次は縫い合わせるための穴を開けていきます。
布なら針でそのまま縫うことができますが、革は厚く硬いため針が通らないので事前に穴を開けていきます。
縫い付けるラインにネジ捻を当てていき線を引いていきます。
線が描けたら、菱目打ちで等間隔に穴を開けていきます。
穴を開けたら革専用接着剤を塗り、貼り付けてクリップなどで乾くまで固定します。
7.糸で縫う
次は開けた穴に蝋が塗られた麻糸やシニュー糸で縫い付けていきます。
蝋が塗られていない場合は、蝋を糸に塗りつけます。
縫い方はかんたんな平縫いです。
縫い付けるときにレーシングポニーがあると糸の縫い付けが作業しやすくなるのでおすすめです。
8.バネホックを取り付ける
ニッパーカバーをはさんで止めれるようにバネホックを取り付けます。
バネホックを取り付けるにはサイズの合った専用の打ち棒と打ち台が必要です。
糸を縫う前に型紙や革にポンチで穴を開けとけばいいのですが、革の厚みで取り付け位置がズレても嫌なので組み立てた状態でポンチでバネホックを取り付ける穴を開けます。
カバーの中に工作マットの端を入れれば貫通することはありません。
バネホックを取り付けたら完成です。
ズレもなくいい具合にニッパーに取り付けることができました。
ニッパーの黄色いバネが邪魔かもしれませんが、革のベルト部分が曲がりぐせがついてるおかげで出し入れもそんなにストレスはないです。
まとめ
革で作るレザークラフトは一見むずかしそうと思われますが、小物ぐらいだったら意外とかんたんに作れちゃいます。
今回作ったニッパーカバーは初心者でも接着剤や仕上げ剤の乾燥を入れても1時間くらいで完成しました。
レザークラフトなら自分のアイデア次第でカバーなどの小物や財布、鞄などいろいろなものが作れちゃいます。
一通り道具がそろったレザークラフトキットセットも販売されているので、この記事をきっかけにレザークラフトに挑戦してはいかがでしょうか。