「市販の塗装ブースの吸い込みが弱い」
「室内で塗装をしたい」
「格安で塗装ブースを作りたい」
プラモデルを制作していると本格的に塗装してみたいと考えてる人も多いのではないでしょうか?
戦車や航空機、ガンプラやフィギュアなどの模型を室内で塗装するにいは「塗装ブース」が必要になってきます。
市販の塗装ブースを購入して使うのもいいのですが、意外と高額なものが多かったり吸引力に満足いかなかったりと塗装環境を整えるのは金銭的にもむずかしく感じます。
そこで今回は格安で自分好みの塗装ブースを自作する方法を紹介します。
これから塗装ブースを自作する方はぜひ参考にしてみてください。
目次
自作塗装ブース
上の画像は私が10年ぐらい前(2012年ごろ)に作った2代目の自作の塗装ブースです。
アルミラックの棚に木枠で作った箱の中に換気扇をネジ止めして常時設置型にしてあります。
主な機能は以下の7つ
- 常時設置型で片付けが楽
- 室内と外の扉開閉で雨の日だろうが雪が降る真冬だろうがいつでも塗装可能(湿気対策はエアコン、除湿器などで)
- 換気扇と同じサイズのダクト(木枠)で空気の排出量が変わらない
- ライトで塗装面が見やすい
- エアブラシが置けるエアブラシスタンド
- 設置している金属トレーや筆などでエアブラシを洗浄、分解、メンテナンスができる
- 手元のスイッチで「換気扇」「ライト」「コンプレッサー」をすぐ動かせる
最初は市販の塗装ブースを使用していましたが吸い込みが弱く、風呂場に持って行って作業してました。
塗装のたびに塗装ブースを設置、組み立てするのは非常にめんどくさく、家族からはニオイの苦情がくる始末・・・。
もっと手軽に文句言われることなく、気持ちよく塗装したいと思い自作塗装ブースをつくることにしました。
1代目は段ボールとトイレ用の小さいファンを使って手軽に試作機を作ってみました。
1代目の画像は残ってませんが、市販のものより吸い込みが良く十分な結果でした。
が!・・・所詮は段ボール、塗料と周りの湿気、ファンの重みでドンドンヘタレていきました。
1代目で得た教訓を生かして欲しい機能を盛り込んで2台目を作りました。
今では塗装になくてはならない頼もしい相棒です。
塗装ブースはなぜ必要?
プラモデルを塗装するラッカー塗料や接着剤にはシンナーなどの有機溶剤が入っており、臭いも強くて人体にも有害です。
エアブラシや缶スプレーから出る塗料の飛沫(ミスト)も塗料の種類に関係なく吸い込むと身体に有害です。
そのためシンナー臭や塗料ミストを外に吐き出し、塗料の飛散を防ぐ塗装ブースが必要になってきます。
市販品、自作の塗装ブースのメリットとデメリット
自作塗装ブースの6つのメリット
塗装ブースを自作すると以下の6つのメリットがあります。
- 自分好みにカスタマイズ、アレンジできる
- アパートやマンション、一軒家、部屋の間取り、環境にあわせれる
- 市販品より吸引力向上が見込める
- 塗料ミストの拡散軽減
- 塗料などのニオイ軽減
- 室内でエアブラシや缶スプレーが使える
自作するうえで最大のメリットは自由にあなた好みの塗装環境を創れることです。
アパートやマンションなどでは周囲に気を使うためファンの静穏性を重視したり、防毒マスクがなくても塗装できるほどのパワー重視にしたりとさまざまです。
自作塗装ブースの4つのデメリット
自作塗装ブースのデメリットは4つあります。
- 事故、トラブルなどは自己責任
- 作るのが手間
- 材料や工具が必要
- 組み立てるDIY知識が必要
自作するので事故、トラブルなどは全て自己責任になります。
上手く作れなくても、思った性能が発揮されなくても自己責任になります。
材料や組み立て用のドライバーやのこぎりなどの工具をそろえる必要があります。
しかし、必要な材料を考える時や選んでいるとき、うまくいかず試行錯誤しているときは楽しいものです。
私が今使っている自作の塗装ブースも試作品を経て、自分が使いやすいように作り、今も改良中なのです。
市販品塗装ブースの2つのメリット
市販品の塗装ブースのメリットは2つあります。
- 買って組み立てればすぐ使える
- 使わない時はたたんで収納できる
市販品塗装ブースの6つのデメリット
市販品の塗装ブースのデメリットは
- 吸引力が弱いものが多い
- エアブラシ塗装なら、なんとか使える
- 缶スプレーだとミストが舞って臭い
- 高額なものが多い
- 市販の丸い排気ダクトから開いてる窓に排出した塗料のミスト、ニオイが部屋に逆流する
- 開けた窓からの外気(熱気、冷気、湿気、雨、雪、虫など)が流れてくる
段ボール箱利用の自作塗装ブース 2つのメリット
段ボールを利用した自作の塗装ブースのメリットは2つあります。
- 安価(0円から数百円)
- 加工がかんたん
段ボール箱利用の自作塗装ブース 4つのデメリット
段ボールを利用した自作の塗装ブースのデメリットは4つあります。
- 塗料や周りの湿気、ファンの重み、時間経過でへたれる
- 強度がない
- 重い換気扇は取り付けられない
- 換気扇を設置しない場合は外で塗装作業しなければならない
換気扇の種類
塗装ブースを自作する上で必要になってくるのが換気扇です。
換気扇には主に2種類あります。
- プロペラファン
- シロッコファン
プロペラファン
プロペラファンは台所にある一般用換気扇や扇風機に使われている羽が大きなタイプで、シンプルな構造が特徴的です。
取り付けもかんたんで、設置に時間もかかりません。
構造がかんたんなので安価で購入することができて換気量も多いです。
しかし羽が大きい分、風切り音も大きいのが玉にキズです。
プロペラファンは通常、外壁に設置するため外から吹いてくる風に弱く、換気がしづらいというデメリットもあります。
シロッコファン
シロッコファンは機械内部にたくさんの羽がついているタイプの換気扇です。
機械内部に羽があるため場所を選ばず設置が可能です。
換気するときもプロペラファンに比べて音が静かです。
「ダクト排気式」とも呼ばれ、調理中の煙や油、湯気などを「ダクト」という管を使って排出します。
なので、シロッコファンを設置する場合には排気用のダクトが必要になってきます。
静穏性に優れているので騒音などが気になるアパートやマンションなどの集合住宅ではおすすめです。
プロペラファンに比べると構造が複雑な分、高額になりがちです。
また、羽根の数が多いので掃除するのが大変で、プロペラファンより吸い込む力が弱い点がデメリットです。
自作塗装ブースを作るための材料
自作塗装ブースを作るのに必要なものは以下の5つです。
- 換気扇
- 換気扇が入る箱(段ボール箱、衣装ケース、コンテナ、木箱など)
- ダクト(プロペラファンを窓や壁に直接取り付ける場合は必要なし。)
- ハニカムフィルター(換気扇に流れる風の勢いを弱め、排出する塗料飛沫を吸着させます。猫の爪とぎなど)
- フィルター(換気扇やダクトへの塗料の付着を防ぎ、長く使用できるようにするためのフィルターです。不織布がおすすめ)
たったこれだけで自作の塗装ブースが作れちゃいます。
かんたんなものだったら5,000円以下で作れちゃいます。
ちなみに私の自作塗装ブースの材料は以下のようになっています。
- 木材(箱組み、ダクト、排気用窓、ダクト開閉用扉等)
- 換気扇(プロペラファン)
- 猫の爪研ぎ
- 排水口用不織布フィルター
- ネジ類各種
- 扉開閉用 蝶番
- ニス
- ライト
- 配線用レール
- 木工用ボンド
- 虫除け金網
- L字金具
- プラ段
- スイッチ式延長コード
- 排気用扉蝶番
- 排気用扉の鍵
- 排気扉開閉時の支え
- 取っ手
- スイッチ式延長コード
- 結束バンド
これで約2万円くらいかかっています。
市販の塗装ブースより高額になってしまいました。
換気扇は3,000円くらいの安物なのですが、自分が欲しい機能(ライトや扉開閉)を徹底的に盛り込み、頑丈な外枠の箱や排気量を変えないダクトなどを木材で作っているため使用金額が高くなっています。
自作塗装ブースの作り方
おおまかな作り方としては次の5つのステップでつくります。
ステップ1 取付用の穴をあける
用意した収納ボックスやコンテナなどの土台となる箱に、換気扇やダクトを取り付ける穴をあける。
ステップ2 換気扇、ダクトを取り付ける
ステップ1で穴をあけた場所に換気扇またはダクトをネジ、接着剤、両面テープ、アルミテープなどで取り付け固定する。
ステップ3 ダクトを取り付ける
換気扇の排出側にダクトを取り付ける。※必要がない場合は省略してOK
ステップ4 フィルターを取り付ける
換気扇に専用の換気扇用フィルターがある場合は取り付ける。
専用の換気扇用フィルターがない場合はフィルターを取り付けられるものを別に作るか、そのままにするか、ステップ5のハニカムフィルターに取り付けてください。
ステップ5 ハニカムフィルターを設置する
ハニカムフィルターを換気扇の通気口から少し離した場所に取り付ける。
まっすぐに置けない場合は、羽が当たらないように斜め置きにしてもOK。
以上で完成です。
作ってみると意外とかんたんな構造で自作の塗装ブースが作れちゃいます。
まとめ
自作塗装ブースの魅力はなんといっても、自分好みの機能やオリジナルの外観にすることです。
あなたしだいでさまざまな機能がついた塗装ブースを作ることでき、改良も重ねていけます。
かんたんのものだったら土日の休みの日にDIY感覚で作れちゃいます。
ぜひこの記事を参考に、快適なモデリングライフを送ってください!