どうも、こんにちは蒼乃 恭介です。
プラモデルをスミ入れするときにエナメル系の塗料を使っている方は多いと思います。
私もプラモデルをスミ入れするときはエナメル系を使う頻度が高いです。
通常のエナメル系の塗料は乾燥が遅く、プラスチックを劣化させて割れる原因にもなります。
プラスチックの割れを防ぐために乾燥を早める必要があり、揮発性の高いジッポーオイルや油彩に使うペトロールなどで塗料を薄めてスミ入れ塗料を作っている方が多くいます。
ただし、ジッポーオイルやペトロールなどで塗料を薄めると溶剤の種類や塗料の相性によっては、分離したり下地を侵したりするトラブルもあります。
そこで今回はガイアノーツから販売されているスミ入れ塗料作製やふき取りに便利な「速乾性エナメル系溶剤 T-12」を紹介していきます。
ガイアノーツの速乾性エナメル系溶剤 T-12は通常のエナメル溶剤に比べ、圧倒的に乾燥が早いのが特徴で、スミ入れやウォッシング用に向いている溶剤です。
スミ入れやウォッシング用の塗料を薄める溶剤になにを使おうか悩んでいる方におすすめです。
目次
速乾性エナメル系溶剤 T-12の特徴
ガイアノーツの速乾性エナメル系溶剤 T-12は50㎖と容量が少なく、1本の販売価格660 円(税込)と少々高い気もしますが、他のエナメル溶剤にはない特徴をもっています。
速乾性エナメル系溶剤 T-12の特徴は名前の通り、乾燥がとにかく早い!!ことです。
使用してみたところジッポーオイル並みかそれ以上の乾燥の早さでした。
乾燥が早いということはプラスチックへのダメージを抑えて、プラスチックが割れる可能性が減ります。
また、乾燥が早いことは時間の節約にもなります。
模型に使える時間が限られているモデラーにはうってつけの溶剤です。
においは油っぽいエナメル系のにおいではなく、どちらかというとラッカーやシンナーっぽいきついにおいで、乾燥も早いので換気は必要ですね
普段使うのであれば、キャップ付きのボトルに移し替えたほうが作業しやすいです。
速乾性エナメル系溶剤 T-12の使い心地
次は速乾性エナメル系溶剤 T-12の使い心地について紹介していきます。
スミ入れ
まずは、エナメル塗料に適量の速乾性エナメル系溶剤 T-12を溶かしたものを使ってスミ入れしていきます。
▼下の画像はプレミアムバンダイから販売された「HG 1/144 ドートレス」にスミ入れしているところです。▼
使用した感じは、通常のエナメル溶剤のようにスゥ―と溝にスミが流れていきました。
ウォッシング
次はウォッシングしていきます。
ジャンクパーツに速乾性エナメル系溶剤 T-12で薄めたウォッシング用塗料で塗っていきます。
▼薄く筆塗りした後は、数秒で表面が乾燥してしまいました。(ちょっと薄めすぎました。)▼
息を吹きかけると一瞬で乾燥する勢いなので手早く処理する必要がありますが、その分時間をかけずに仕上げることができます。
プラスチックへの影響
次はプラスチックへの影響を実験してみました。
ジャンクパーツのピンとダボを合わせてテンションをかけた状態で、速乾性エナメル系溶剤 T-12で薄めたウォッシング用塗料で塗ってみました。
下の赤く丸でかこっている部分のダボ穴が一瞬でヒビが入ってしまいました。
乾燥が早いといってもテンションがかかって、乾燥しにくい場所へ流れ込んだらプラスチックは割れてしまいますね。
ピンやダボ、テンションのかかったパーツにはやはりカットしたり、ヤスリで削るなどの対処が必要ですが、テンションのあまりかからないパーツ表面なら乾燥の早い速乾性エナメル系溶剤 T-12でパーツへの負担が減らせます。
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下地への影響
次は下地塗装への影響について実験していきます。
下の画像はジャンクパーツにそれぞれ「ラッカー塗料」、「水性塗料」、「アクリジョン(水性塗料)」を塗り、速乾性エナメル系溶剤 T-12をつけた綿棒でゴシゴシこすっていきます。
※速乾性エナメル系溶剤 T-12はエナメル塗料を溶かすので除いています。
▼やはりラッカー以外は下地が溶けだしてしまいまいた。▼
ラッカーも若干グレーの塗料が溶けだしていますが、速乾性エナメル系溶剤 T-12でスミ入れを拭き取る場合は、軽くこするだけでもかんたんにはみ出しを拭き取れますのでゴシゴシこする必要がありません。
速乾性エナメル系溶剤 T-12のデメリット
速乾性エナメル系溶剤 T-12は乾燥が早いのですが、エナメル系塗料のメリットである筆塗りでも乾燥時間が長いことで塗った後のツルっとした光沢感のある表面ならないので、エナメル系塗料でキレイに筆塗りしたい場合は、乾燥が遅い通常のエナメル溶剤を使用したほうがいいです。
まとめ
速乾性エナメル系溶剤 T-12は乾燥が通常のエナメル溶剤より圧倒的に早く、プラスチックへの影響は少ないですが、テンションのかかったパーツは負担を減らす加工が必要になってきます。
乾燥が早いことで、思いどうりにスミ入れやウォッシングを施したり、すぐに次へ移れるので時間の短縮にもなります。
パーツをエナメル系塗料でキレイに筆塗りしたい場合は、乾燥が遅い通常のエナメル溶剤を使用してください。